『紅の豚』”ピッコロ社のスパゲッティ”
ポルコから引き受けたサボイアの改修という久々の大仕事に、出稼ぎに出ている男衆の代わりにピッコロ一家の女性たちが総出で呼び出されます。華やかで賑やかな不況にも負けない女性たちの逞しさが印象的な場面ですが、ここでこのイタリアのママンたちによって振る舞われるのがピッコロ社のまかないパスタです。

大仕事を前にピッコロ社のママンたちを中心にして、大きな鍋にたくさんのパスタを茹で、手際よく調理を進めていく姿は、なんとも楽しそうで、美味しそうで…。見ているだけで、”うわあ、食べてみたい…”なんて思わされてしまう場面でした。
賑やかに大量の料理を作るというのは、なぜああも魅力的なのでしょうね。
ピッコロ社のママンの味
テーブルに並べられたパスタ料理。ピッコロ社のママンたちが腕を振るったトマトベースのロングパスタです。ロングパスタも様々な種類ありますが、ここは素直にスパゲッティと考えて良いかなと思います。
さて、トマトベースのパスタ料理は数あれど、やはりイタリアのママンの味といえば、シンプルなトマトソース”スーゴ・アラ・ポモドーロ”が思い浮かびます。

イタリアには一括りにするのは難しいほどに地域ごとに多様な郷土料理が存在し、もちろんこのピッコロ社があるとされるミラノにもロンバルディア州の郷土料理が存在します(ミラノ風カツレツやミラノ風ドリアなど)。ただし、ロンバルディアで有名なトマトベースのパスタ料理はあまり聞き馴染みがありませんので郷土料理という線は薄そうかな…と。
トマトソースのパスタとして有名なものは、すでに挙げたようにイタリア全土で食べられる最もシンプルで古典的なポモドーロから、カンパーニャ州のプッタネスカやヴォンゴレロッソ、ラツィオ州のアマトリチャーナやアラビアータ、etc…と数多くあります。
大人数で一斉に作り一斉に食べる”まかない”であることや、ピッコロ社が”倒産寸前”でかつ出資者のポルコのお財布事情も芳しくないことを考え合わせると、比較的安価でかつ調理も簡単に行えるものだと考えられます。パスタが大盛りなのも具材を少なくした分を傘増しして、経済的に済ませているのではないかと推測できます。
結局のところ最もシンプルなトマトソース。イタリアで最定番ともいえる“マンマの味”スパゲッティ・アル・ポモドーロ(Spaghetti al pomodoro)が妥当かなと思います。
グラスに注がれた液体は赤ワインでしょうか。
17歳のフィオや、彼女よりも年若そうな少女たち(ソフィア、ラウラ、コンスタンス、バレンティーナ)が飲んでいるのは日本人的にはやや違和感はありますが、イタリアではワインは食事の一部としての認識が強く、飲酒自体は法律で16歳から認められていますから…。
“ピッコロ社のまかないパスタ”再現レシピ
では、ジブリ映画『紅の豚』より”ピッコロ社のまかないパスタ”の再現レシピです。

ピッコロ社のまかないスパゲティ・アラ・ポモドーロ
Ingredients
Method
- ニンニクは粗めのみじん切りにして、たっぷりのオリーブオイルでじっくり炒める。焦げないように気をつけながら、しっかりと香りをオイルに移していく。
- ホールトマトを粗く潰して加え、軽く塩を振り旨味を出しながら炒めていく。ざっくりと炒まれば、トマト缶の残りのトマトジュースを加えて、足りないようならさらに適宜水を足して煮込んでいく。*タイムやオレガノなど好みのハーブを加えと良い。
- スパゲッティを茹でていく。別にアルデンテにする必要はないが、ソースと和える際にも多少 火が入るので茹であがりは好みの硬さの一歩手前くらいにしておく。ゆで汁は取っておく。
- 茹で上がったスパゲティにパルメザンチーズを和えておく。*ソースと和える前にチーズと和えるのがイタリア流らしい。ソースがパスタに絡みやすくなる。
- トマトソースの鍋にパスタの茹で汁を大さじ2ほど加え、強火にかけて一気に乳化させる。ソースがしっかりと乳化したら、スパゲティを加えて手早くしっかりと和えれば完成。
